9月下旬に3日間夏休みを取りました。私は司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」を昔から何回も繰り返し愛読している大のファンなので一度は松山城には絶対に行きたいと思っていました。さらに元気に歩ける内に四国の城めぐりもしたいという願望があったので意を決して四国に出かけました。
私は城というものは天守閣に登るより城の周りを巡り城壁を見るのが好きです。
長い歴史の中で天守閣は何回も焼け落ちましたが城壁は城が造られた当時のままで存続しているものが多いはずです。機械が無い時代に殆ど人力で大きな石を組み上げてあの美しい曲線を持った城壁を形作った日本人の素晴らしい能力と美意識に感激するのです。
明治維新になり明治政府がおこなった各地の城の取り壊しが実にバカな行為に思われて悔やまれてなりません。徳川の幕藩体制の象徴である城を取り壊し、明治天皇による中央集権国家の確立を国民に知らしめたかったのでしょうが、日本国民のかけがいのない宝を国が自ら消滅させてしまったのです。アメリカでさえ太平洋戦争末期に城や寺院は爆撃を避けたのに、日本人自らがそれを壊してしまった悲しい時代があったのです。明治時代になり政府は西洋文化の取り入れを急いで日本文化の保存をおろそかにしましたが、鎖国していた徳川時代でも日本独自の文化は発達し続けていて外国に負けないものが沢山ありました。城の周りを歩きながら城は日本人の貴重な文化遺産で末永く残したいものだと思いました。
 四国の城に感激している内に最終日が来てしまいましたが、その日私は城以外に、これも日本人の宝だという物を発見ました。それは大塚国際美術館です。
近くに美術館があるから寄ってみようという軽い気持ちで入場料を払って入館したのですが、中に入ってビックリでした。世界中の美術館の有名な絵画千点以上を陶板画にして展示してあるのです。大塚製薬グループが絵を写真に撮りそれを陶板に焼き付ける技法を開発し写真陶板を作ったのです。この発想の素晴らしさにおどろきました。絵を模写するのではなく、絵の写真を撮ってそれを陶器にしたのです。さらにその技術力の高さに同じ日本人としての誇りを覚えました。模写ならばどこか違うということもありますが写真なので全く本物と同じなのです。一枚1×3メートル以上の陶板画が可能だそうです。大きな壁画ではこれを何枚も並べて一面にしてあるのです。人が触っても、日が当たっても、雨に当たっても劣化しません。この絵が千枚以上あるのです。外国の美術館に行かなくても大塚国際美術館に何日も居たいと思いました。
余談ですが美術館の説明器械では学術的な説明、展示物の説明をしてくれるボランティアの説明は少々人間的、物語的な話題が入り面白かったです。