| 2006年12月号 | ||
| 美容医療と心 | ||
| 耳学問という言葉がありますが、私はこの言葉が好きですし、実践しています。即ち、他人の言葉を聴いて学ぶ、知る、物事の参考にするということを取り入れています。例えば、医学会での他の医師の研究発表はその医師が長年研究した結果ですから、その中に長年かかって見出した新しい知見が濃厚に含まれているのです。10人の医師の発表を聞くということは10の研究をしたことなのですが、それを自分一人で10の研究を同時に行うことはできないのですから、他人の発表を聴いて自分のものにするということは大変有意義なことだと思っています。それも自分に関係の無い分野の人の話を聴くのは自分の知らなかった驚くようなことをはじめて知ることが多いので好きです。昔は文献を読んであるいはラジオを聴いて知識を仕入れたのですが、現代はテレビやビデオなので、むしろ「目学問」というのが正しいかも知れませんね。 先日。テレビで青森県の弘前でりんご農家を営む人が紹介されていました。その人の作るりんごは無農薬栽培で、甘みが濃く、いつも即完売なのです。そのりんごの特徴は、古くなっても腐らず、甘い香りを発しながら枯れるそうです。防腐剤の代わりに自家製の酢を使い、それを自分でりんごの木一本一本に何日もかけて噴霧するのです。りんごに対する情熱は勿論ですがりんごに対する優しさというものを画面を通じてジワーッと感じました。そして、自分の弟子に「技術は心が先に伴って後からついてくるものです。」「技術と心が一緒になった人が本当のプロです。」といった言葉を聴いて、私は感激してしまいました。 「この言葉は今の医療事情にピッタリと当てはまる言葉ではないだろうか。特に自分も含め、美容外科を志す医師がしっかり心に刻んでおかなければいけない言葉だ。」と思ったのです。 「心」を忘れ宣伝広告にばかり夢中になっている美容外科医、腹がふくれるのは金以外には無いと「心」を伴わない美容医療を行っている医師がまだまだはびこっています。りんごを作る人の心を知ってそのりんごを買うのと同じように、美容外科を選ぶ時に担当医の心を知って美容外科医を選ぶ必要があります。 | ||
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