| 2006年7月号 | ||
| 真の美容医療のあるべき姿 | ||
| 月初めに某美容外科医の娘さんの誘拐事件が起きてマスコミをにぎわせていました。多くの人が私も同じ美容外科医だから事情を知っているだろうと考えたのでしょうかいろいろなことを聞いてきました。一番多かったのは「あれってヤラセ?」という質問。本来なら若い女性が誘拐されて大事件ということで、娘さんの安否が第一に気になるはずが、話題はもっぱら母親の美容外科医に向けられてしまい何か変でした。犯人は名うての凶悪犯だったにもかかわらず、「無事でよかった」という声はあまり聞こえず、いまだ「ヤラセ?」という疑いが拭いきれていない人が多いようです。「不徳のいたすところ」という言葉がぴったりする典型例だと感じました。 その次に多かったのは「美容外科ってそんなに儲かるの?」という羨望の声でした。マスコミの取材もおかしかったですね。なんでも金に結びつくような質問をして、すぐに「それは何十万、これは何十万」という返事が返ってくる場面を映し出し、いかにも美容外科をやれば成金になれるのだという印象を視聴者に植え付けるように仕向けた観が濃厚でした。あの場面に「一時間に百万稼ぐ」とか「年商12億円だった」などといっている昔の映像を出す方も出す方でしたが、あれは感心できる報道とはいえませんでしたね。あんな報道のされ方をするのも、いわゆる「不徳のいたすところ」のではないでしょうか? 皆さんには「あんなのが美容外科医で、美容外科医ってあんなことをやるのかな?」などと思わないで欲しいのです。奇抜な事をやったり、ピエロみたいな事をやって人目をひきたがる美容外科医達がまれにテレビに出ていますが、あれは医師ではなく「医師免許を持った道化」なのです。多くの美容外科医は美容外科も医療の一端をになう重要な診療科だと考え、真剣に日常診療に取り組んでいます。けしてエステに毛が生えたようなことをやるのが美容外科ではないのです。 真の美容外科というのは、その人が持っている身体的なコンプレックスを美容外科手術で取り除くことにより、精神的な負担を軽くする心療外科なのです。ただし医療であっても保険診療では扱われないので自費診療となってしまい、患者さんの負担が高くなるというだけであって、決して何億円儲かるというものではないのです。 そして医療というのは、良い医療をやればやるだけ儲からないようになっているのです。逆に儲かる医療は良い医療をやっていないという事かもしれません。 | ||
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