| 2004年7月号 | ||
| 美容外科業界は広告戦争!(あえて業界という言葉を使いました) そのA | ||
| 前月6月号の「美容外科業界は広告戦争!−その1」では、安全性が確認されていない治療法も新しいネタでありさえすればそれを広告宣伝に使い、多額の費用を使って宣伝したからには実際に患者さんに使ってしまうという美容外科業界の危険性について斬りました。 今回の7月号では「美容外科業界は広告戦争!−その2」と題して危険性の実例の歴史をご紹介していきましょう。いかに昔から同じことが繰り返されていたかお判りいただけると思います。 今から40年前、オルガノ−ゲンという蜜ろうとワセリンを混ぜて作った注入物を入れる方法が流行った時代がありました。この時もたちが悪い事に、今の美容外科業界と同様、まともに修行もしていないため元々手術ができない医者達にかぎって素早く飛び付き「切らない・手軽だ・自然だ」などと宣伝し、その宣伝に踊らされた患者さん達に片っ端からほほ・鼻・バスト・ペニスなどに注入したのです。しかしこのオルガノーゲン、バストや鼻に注入すると体温で温められ、注入当初はほどよい柔らかさなのですが、次第に硬くなり凸凹が気になりだし、取り除きたいという人が殺到したのです。ところが一度注入されたオルガノ−ゲンは、体内では脂肪や筋肉の組織に混ざるように存在しており、後から取り除いてくれと言われても取り除けなかったのです。そして現在でもオルガノ−ゲンの副作用で困っている人が多くいます。 そしてこれは今から数年前の事ですが、ハイドロジェルという物質が出現しました。ちょうど「シリコンが癌の元になる」とアメリカで騒がれたため日本でも製造中止になり、シリコンの代わりに何か良いものはないかと探していた時の事です。「当院ではシリコンジェルを使わず、新しく開発されたハイドロジェルを使用しているので安全です!」などと、早速大々的に宣伝され、またたくまに日本中で使われるようになってしまいました。しかし実はその時ハイドロジェルの安全性はまったく確認されておらず、しかもヨ−ロッパでは早々に使用禁止になってしまったのです。 でも某クリニックでは在庫を大量にかかえこんでしまったためについ最近まで使っていたのです。そのクリニックの患者さんの中には、「ハイドロジェルを直接注入されて心配なので取ってくれ」と言って当院を訪れる患者さんも数多くいましたが、直接注入ではオルガノーゲンと同じように体内では脂肪や筋肉の組織に混ざるように存在しているので、取ることはできずお断りしました。「今頃あの人のハイドロジェルはどうなっているかなぁ」と他人事ながら心配しています。 ところで私は・・・といいますと、机の上に放置しておいたバストハイドロジェルバックの中身が、まるで固形石鹸が古くなってヒビが入るのと同じ様になったのを見て危険を感じ、ハイドロジェルは一度も使用しませんでした。 前回でも指摘しましたが、日本で少しずつ浸透している「注射で脂肪を溶かす方法」で使うヒアルロニダ−ゼという薬剤は牛の睾丸から取ります。日本では製造を中止してしまいましたが、今使われているヒアルロニダ−ゼはどこの国で作られたものでしょうか。その国の牛は狂牛病の検査は済んでいるのでしょうか、ちょっと心配ですね。 先日、BSE(狂牛病)の日本の第一人者の講演会がありました。司会者が「私は自分の孫には牛肉を食べさせないようにしています」と言っていましたが、ヒアルロニダ−ゼも同じような事かもしれませんね。脂肪融解注射法を懸命に広告宣伝している医者の中には、ヒアルロニダ−ゼは狂牛病の危険性があるので自分の肉親には使わず、従来通りの脂肪吸引手術しか行わないなんてのもいるかもしれませんよね。まあ世の中なんてそんなものですよ。皆さんも広告宣伝の裏の裏を読んで、自己防衛に徹しないと長生きできませんよ。次回は今月号の続き、美容外科業界の広告宣伝の内幕を暴露する「美容外科業界は広告戦争!(その3)」です。お楽しみに! |
||
| Copyright (C) 2004 Yoshizawa Clinic. All Rights Reserved. |